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社長室より 日々の言葉

組織で働く人間の心得

組織で働く人間の心得について考えてみました。

まず組織の全体像をつかまなければなりません。

この会社はどんな仕事をしているのかなという全体像です。自分が働いている分野のことだけ知っていればよいのではありません。全体、つまり企画、生産、営業まで全体がどういうふうにつながって一つの組織になって動いているのか、自分はそれのどこの部分に所属しているのかを知る必要があります。そのことが分からないと自分の工夫も的外れになってしまい、本人の努力と上司の評価がずれてしまいます。全体像がつかめていますと、あまり的外れなことをしなくてすみます。

二つ目は、全体の動きの中での自分の位置づけを知ることです。

全体の動きの中で自分はどの仕事についているのか、横の関係と上下の関係をしっかり見ておかねばなりません。自分の仕事はどこから流れて来て、どこへ向かっていくのか。命令系統はどう流れて来て、自分の下には誰がいるのか、などということも分かっていないといけません。自分の下に人がいない場合、自分の所が最後で、他に仕事を回せないわけですから、自分で責任を果さなければなりません。このように全体の動きの中での自分の位置づけを理解するのです。

自分の直属の上司というのがわかっていませんと、命令系統とは違う、横から入って来た仕事を勝手に引き受けたりして「お前、自分の仕事も終わらないうちに、どこに行っているんだ!」と上司に叱られてしまいます。ですから、自分の位置をきちっと確認することがとても大事だと私は思っています。

三つ目は、任務に誠実に取り組む責任感を持つことです。

まず、何が命令されているのか分からないのに走り出してはいけません。上司は何をしてもらいたいのか、よく聞いて理解しなければなりません。そして「これとこれとこれをするのですね」ときちっと確認して「そうだ」と言われたら、一つももらさず忘れないで、それを全て誠実に果たすのです。“誠実に”が自己点検項目だと思います。

やったつもりで、できていないことがあります。そうすると、誠実ではないと思われてしまいます。たとえば「これをそらで覚えてやりなさい」と言われても、遂に最後まで覚えられなかった、ということがあるとします。もし本気で覚えようと思ったら就業時間前に現場に行って、とにかく何回も何回も繰り返して覚えればいいのですが、そういう努力の跡が見られないと、誠実ではないと思われてしまいます。つまり「無責任だ」と評価されてしまいます。

たとえ覚えることが不得意な人であっても工夫をすることはできます。私も記憶力が悪いものですから、どうしたら覚えられるか考えて、リズムをつけたり、覚える順序を上手に工夫して覚えるようにもしました。覚えるために、口ずさむだけではなく何度も書くということもできます。目の記憶、耳の記憶、手の記憶、それらを全部使って覚える、そういう苦労をしていると、上司は、「ああ、こいつは記憶力は悪いんだけど頑張ってるな」と情が湧いて、助けてあげたくなるものです。

やはり組織の中で上司に可愛がってもらうという人間関係が大事なのです。可愛がってもらえるためには、外面に化粧をするという方法ではなくて、健気に頑張っている、精一杯やっている、こういう姿を見せることが大事です。格好つけていてはだめです。可愛がってもらうためには裸でないといけません。「いやあ、すみません。僕、記憶力悪くて」と正直に頭を下げると、上司は「そうか、お前バカなのか」なんて言って、可愛がってくれるものです。仕事にはプライドが邪魔です。

任務に誠実に取り組む責任感、それは締め切りに間に合うようにすることや予算を確認してから作ることでもあります。使いたい放題お金を使って良い物ができたとしても、社長としては「この経費って誰が出すの?」と言いたくなる。「俺はそんなに経費をかけるつもりは無かった」という場合もあるのです。最初に「いくら位の経費でやればよろしいですか?」と聞かなければなりません。締め切りと経費についてはきちっと確認することが大切です。

自分の仕事が全体に対してどういう影響を及ぼすかを知る必要もあります。自分の仕事が遅れれば次の人も遅れてしまう。そうして仕事全体が期限に間に合わなくなってしまいます。だから、「これはいついつまでに仕上げないと次の人が困る」というように、自分の任務の全体に及ぼす影響というものに対して深く理解しておかないと、自分の仕事をいいかげんに見て段取りで失敗してしまいます。

四つ目は、職務命令に従順に服することです。

自分の考えをさしはさまないことが大切です。「こうした方がいいんじゃないか」と自分で考えて、命令以上のことをやったつもりでちょっと付け加えると、かえってそれが邪魔だったりします。「俺はそんなこと命令していないぞ!」と言われ「いやあ、こうした方がいいんじゃないですか」「それはお前の考えだろう。俺の命令に忠実に服せよ」となります。

上司はいろいろと考えた上で、これが一番いいな、これで行こうと決めて部下にやらせるわけですから、部下は言われたことに対して忠実であるべきであって、それ以上足してもダメ、引いてもダメなのです。そういうふうに“従順”ということを覚える必要があります。

立場が変われば、見える世界も変わります。ですから部下も上司の側から見れば、命令を一番正確に理解できるのです。受け手の側から見ていると、違った世界に見えています。命令する側から見ると「ああ、こういうことを要求しているんだな」と分かります。だからヴィタポートの社員はみんな「経営者の立場に立ちなさい」と、よく言われるのです。使われる側に立つと、なるべく仕事を少なくして、ラクをしたいわけです。でも使う側から言うと、丁寧にやってほしいし、スピーディにやってほしいのです。「そんな無理な」と言うかもしれませんが、それが要求ですから。それに対してできるのは「工夫」です。

最後に、絶えず仕事の質的向上に努めることが大切です。

どんどん自発的にスキルアップしなければなりません。自分で自発的に仕事の質的向上に努め、創意工夫、アイデアを出して、どうしたらもっと早く、もっと正確にできるか考えるのです。

そういうこと全体を通してうまくいくためには人間関係が大切です。つまり先輩や前任者が獲得したいろいろな工夫を教えてくれる、そういう人間関係がうまくいかないと、初めから全部自分でやらなければなりません。一から十まで自分でやる、これは苦しい戦いです。「君ね、ここはこうやってやるんだよ」と先輩が親切に教えてくれるなら、とても助かります。楽しくない仕事をいかに楽しくするかという工夫を先輩は教えてくれます。好きな仕事も嫌いな仕事もあるでしょう。でも職務命令ですから、いかに楽しくするか創意工夫して、「仕事を好きにする」のです。

組織で働く時、そうやって先輩に可愛がってもらうことが大切です。正確でスピーディな仕事をして上司に喜んでもらうためには人間関係をよくして、いろいろ教えてもらって、自分でも工夫していく。そうすると組織内での楽しい生活ができます。

組織の嫌いな人、自分ひとりでやるのが楽しいという人がいます。でも、一人でやる仕事には限界があります。そんな大きな仕事はできません。そうすると、どうしても「仲良くする」ということが大事になってきます。

それはお菓子を配って仲良くなるとか、そういう世界ではありません。やっぱり人柄です。“親切”です。自分の仕事が早く終わったら、まだ終わっていない仲間に「手伝おうか?」と声をかけてあげるのです。忙しくしている時に手伝ってもらうと仕事も早く終わりますし、嬉しいものです。自分の仕事が早く終わったからといって、一人で先に帰ってはダメです。仕事が早く終わるのは、仲間を手伝って親切を与えるためなのですから。正確にスピーディに仕事を終えて仲間を手伝う、これが仲良くする秘訣ではないかと私は思います。

みなさん、親切を旨として、今日も一日頑張ってください。

 

2012年6月20日

代表取締役 水谷幹夫

1948年、大阪府に生まれる。北海道大学文学部国文科卒業後、22年間、高等学校で国語科の教諭として勤務し、角川書店の教科書作りに参加する。その間、少年院での作文教育や、老人ホームでのボランティア活動で札幌市の表彰を受ける。小樽市塩谷にある社会福祉法人「塩谷福祉会」(精神障害者社会復帰施設)の理事を務める。

1981年、結婚して間もなくキリスト教の家庭集会を始める(現在の札幌キリスト召団)。

1996年、高校を退職し、余市の農園の入植して人生に行き詰った人達のための再生の港「惠泉塾」を開き、卒塾生の職業訓練の為に株式会社ヴィタポートを設立し、現在に至る。